少年陰陽師/迷いの路をたどりゆけ [小説]
少年陰陽師 迷いの路をたどりゆけ (角川ビーンズ文庫 16-30)
- 作者: 結城 光流
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/10/01
- メディア: 文庫
「少年陰陽師」玉依編、第4巻です
木に在り火に在り土に在り、金に在り水に在り。
生きとし生けるすべてに在りて、命の息吹を司る。
我は天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)。
原始の光と同一のものである。
このフレーズから始まった玉依編第4弾。
昌浩の側に居るのが辛くなり、内親王脩子の伊勢入りに同行する事になった彰子。
しかし虚空衆に襲われたりして、改めて昌浩の存在を思い知った。
太陰に今の心の内を打ち明ける彰子。
気付いてしまった、本当は自分が辛くて昌浩の側にいる事が辛くて逃げてきたのだと・・・
でも危険な場面に遭遇した時に思うのは昌浩のこと。
離れると決めたのに・・・会いたい、昌浩に会いたいと。。。
危うい状態だった昌浩は、玉依姫によって夢殿の世界へ。
そこで昌浩自身が気付いていない心の傷を教える人物に会います。
その人物は清明の事を知っている口ぶりだったので、冥府の官吏かと思ったのですが・・・
昌浩が鬼に堕ちるのを救ってくれた人が・・・清明が唯一「友」と呼んだ男だった。
彼によって昌浩は、自分の心の傷にようやく気付く事が出来た。
でも彼がここで登場してくるとは予想外です。
昌浩と共に玉依姫のところに来た昌親と紅蓮。
昌親は昌浩がどうして危うい状態になったのかを紅蓮から聞きます。
出雲で昌浩を庇った彰子が敵の刃を受けたこと。
その出来事が昌浩に「怖い」という気持ち、守れないのが怖い
自分の未熟さのせいで守れなかったのが怖いと思い、必死で勁さを求めた。
昌親にも心の傷はある。兄成親にも、そして陰陽師ならみんなが持っている傷。
昌浩だけには心の傷を負わせたくないと考えていた昌親。
安倍家の二人の兄は、年の離れた昌浩を本当に可愛がっているんだなーと、
そして紅蓮も昌浩が最初に話した誓い
誰も傷つけない、誰も犠牲にしない、最高の陰陽師に、なる。
それは陰陽師である以上無理な話と分かっていても、
その願いのままに生きていけたらと願っていた紅蓮。
清明達のもとに、再度虚空衆が襲ってきます。
そしてその危機を救ったのが昌浩。
会いたいと思っていた昌浩が現れ、呼び止める彰子。
彰子を見た昌浩は何も言わず脩子を連れて去ってしまった。
昌浩の態度に落胆する彰子が痛々しいです
しかし今回は天照大御神が高天原の最高神ではなく、最高神に仕える巫女神。
皇祖神の天御中主神が最高神だと磯部守道が清明に話しますが、
神の地位はよく分からないので、はてなマークが飛んでます(^^ゞ
斎を嫌う度会の面々、特に潮彌なんて斎を「贄」にしてしまえばいいとか言ってたけど、
昌浩や昌親の心の傷が見えるほどの力が有る斎を、役立たず扱いするのは変だよね~
神の声が聞こえないからだけとも思えないけど・・・それだけなのかなー(・・?
次巻は斎が取った行動でどう展開するかです。
でも玉依編も次で終わりなんだよね~。
ん~、どうまとめるのでしょうか?
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