少年陰陽師／まだらの印を削ぎ落とせ

少年陰陽師 まだらの印を削ぎ落とせ (角川ビーンズ文庫)

• 作者: 結城 光流
• 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
• 発売日: 2010/01/01
• メディア: 文庫

昨日に続いて「少年陰陽師」ですが、こちらは最新刊の颯峰編第三弾。
外法師に外法をかけられた天狗の総領一子・疾風（はやち）と同じ外法を藤原行成の息子・実経にもかけられた。
疾風から手を引かないと実経の命がないと外法師に脅される昌浩。
昌浩は疾風と実経の二人を助ける事ができるか！？

昌浩が形代で疾風にかけられている外法を和らげたが、外法師を調伏しなくては完全に外法が解けたことにはならない。
それでも前よりは疾風の様態が良くなった、なのに飄舞（ひょうぶ）は「困るのです。助けられては」と伊吹に話す。
忌むべき人間の術で助けられる事があってはならないと頑なな態度。
疾風が助かる事が第一なのに、あくまで助けるのは天狗じゃないといけないと考えている。
頑固というか、自分たちではどうにもならなくて昌浩の助けを借りたというのに。


紅蓮と勾陣が天狗の総領に呼ばれて郷に来たのに、なかなか会わせてもらえない。
総領の側近衆が紅蓮を警戒しているのと、呼んだのは紅蓮だけど来たのがもっくんだったのもある。
確かに紅蓮が招かれたのに白い動物のもっくんが来たのでは、怪しむのは仕方ない。
元々仕方なく天狗の郷に来たもっくんなので、遂にキレて紅蓮の姿になった。
当然紅蓮の爆発的な神気の威力で、側近衆が弾き飛ばされた。
昌浩からは天狗と揉め事を起こすなと言われていたのに…^^;


昌浩はまた夢殿に来ていた。
今回は、夢殿で昌浩が危険な目に遭わないようにと紅蓮に頼まれた嵬（かい）が昌浩の夢に入った。
道反の守護妖である嵬には夢殿に入ることが出来る。神将は夢殿に入れないんですね。
昌浩は自分から夢殿に来ようと思って来た訳ではなかった。誰かに呼ばれた？

昌浩を夢殿に呼んだのは外法師。外法師が人間の子供に外法をかけて苦しんでいる子供の姿を見せる。
子供は疾風を助けて介抱してくれた行成の息子の実経。
外法師は疾風から手を引かないと実経の命はないと脅す。そしてこのことは誰にも言うなと口止めされる。


昌浩が夢殿で外法師に会っている頃、行成の屋敷では大騒ぎ。
幼い姫の持っていたお守りが突然燃え上がった。そのことに気を取られ、後から実経の異変に気付く。
偶然敏次の元に行く使者から話を聞いた成親が、行成の屋敷を訪れる。
実経の体にはまだらな痣が現れ熱を持っている、この症状はどこかで聞いた気がする。


紅蓮と勾陣は狭い岩屋に閉じ込められた。
本性の姿で神気を爆発させたので、危険だと思われてもしょうがないけど…。
半分は本気で天狗に喧嘩を売ったけど、半分は計算（一応）
外法師がどうやって異境にある天狗の郷に入れたのか？
天狗たちの動きを中から見る目的でもあった。

飄舞は岩屋に結印をして「すべて終わるまで、ここにいてもらう」と紅蓮と勾陣を閉じ込める。
飄舞を怪しんでいる紅蓮は伊吹と颯峰に首謀者じゃないかと問う。
これには二人とも絶対にありえないと否定する。


成親が安倍邸に行き、昌浩に実経の話をする。
外法師が天狗の雛から標的を実経に変えたのかと問うが、答えられない昌浩。
夢殿で外法師に誰にも言うなと脅されたから、言いたくても言えない。
昌浩に代わって嵬が身繕いだと言って、成親の問いに羽をばたつかせて答える。
嵬は外法師の言いなりになるのは、道反の守護妖としてはプライドが許さない。
それに昌浩が成親に勝てるわけが無い。

事情を知った成親は昌浩にどうするか問う。
「どちらかではなく、総取りです」疾風も実経も両方を救うと告げる。
まずは疾風の形代の術を解くと成親に告げた時、妻戸が妖力で破られた。
疾風の形代の術を解くと聞いた颯峰が激怒している。
形代の術を解いたら疾風に外法が返ってしまう。
誤解した颯峰は、外法師を討たなければ紅蓮たちの命はないと告げて去って行く。
誤解だと説明したくても、天狗にも言うなと外法師に脅されていた。
誤解されたままでも、疾風の形代の術を解かなくては外法師を討つことが出来ない。
昌浩は朱雀と共に疾風の形代の術を解くために向かう。


紅蓮は伊吹から飄舞の出生の話を聞く。
飄舞は母親が誰かに襲われた時に出来た子供。
郷の天狗ではなく、人間なのか妖なのか魔物なのか分からない。
母親は襲われてから心を病んでいたし、難産で飄舞を産んだ後に亡くなった。
誰が父親なのか分からないが、当時の総領は他の天狗と分け隔てなく扱った。
先代と現在の総領に救われた飄舞が、郷を裏切る事はないと断言する。
それでも紅蓮は納得がいかない。


疾風の形代を守る颯峰と飄舞の元に昌浩と朱雀が現る。
形代の術を解かせないために颯峰たちと激突する昌浩。
昌浩と朱雀の作戦に引っかかった颯峰は、形代を奪われ術を解かれてしまう。
疾風に外法が返ってしまうと嘆く颯峰。昌浩は形代を解き外法師に呪詛をかける。
呪詛を受けて外法師が苦痛に喘いで姿を現す。
誤解したままの颯峰は、外法師が現れても信じず昌浩の邪魔をしようとする。

形代を解いて外法師に呪詛をかけることを話さなかった昌浩を疑う颯峰。
外法師から脅され話せば実経の命がないと説明するが、実経が身代わりに死ねば疾風が助かると冷たく言う。
その実経が、疾風が元気になったら会いに行きたいと願っていた子供だと教える。

…ちゃんと、飛べる姿をね。あの人間の若君に、見せに行くの。それでいつか……大きくなって、もしあの若君が天狗を恐れずにいてくれたら………。

颯峰は恩義のある人間の子供を身代わりにと言った自分の愚かさに、後悔と自負の念に苛まれる。
その間に外法師が妖気を爆発させて呪詛を昌浩に返す。が、颯峰が昌浩の前に立ち受け止めた。
外法師は伊吹が昔戦った時に失った片腕を取り込んでいた。
凄まじい力ではあるが、呪詛が効いているので昌浩が調伏して倒した。


外法師も倒しこれで終わった……はずなのに…。
郷に戻った颯峰は疾風の元へ行くと、側についている女性達が外法にかかっている。
疾風の姿がなく、背を向けて立っていた飄舞に何が起こったのか訊ねようとしたら…。
飄舞が颯峰を斬り、倒れた颯峰を見下ろし生まれて初めて笑顔を見せた。



外法師を倒したら今度は飄舞かよ。飄舞は郷を滅ぼそうとしているのか？
昌浩の力を欲しているのは間違いないので、取り込もうとするのかな？
それだと外法師と同じ事になるけど、父親が外法師だったりして。
怨霊に襲われて子供が出来るかっていう問題はあるんだよな～。
飄舞に斬られた颯峰は大丈夫だろうか？
珂神編のように犠牲者が出ないといいんだけど。

タグ：小説 ライトノベル 少年陰陽師 颯峰編

コメント 3

nanoさん、keiさん、「直chan」さん、kaz777さん、まこたまさん、
nice!ありがとうございます!(^^)!
by usako (2010-01-03 21:12) 

ロックさん、
nice!ありがとうございます！！
by usako (2010-01-05 00:43) 

アリア・ポコテンさん、
nice!ありがとうございます!(^^)!
by usako (2010-01-07 13:53)